事例集

IMAGICAが今まで対応した作品一覧をご覧ください。


重要文化財『紅葉狩』デジタル復元

『紅葉狩』(1899年)は、2009年に映画フィルムとしては初めて国の重要文化財に指定された作品です。
フィルムセンター監修のもと、重要文化財に指定された可燃性デュープネガからの全編デジタル復元をIMAGICAが担当しました。

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修復前 修復後
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東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵

ここがポイント!

重要文化財指定されたきわめてデリケートなフィルムにダメージを与えないよう作業することが最優先事項であり、”復元”という意味では、初公開当時に上映した映像を再現することが重要でもあり、文化財としての側面も重要視しながら修復、そして復元を実現しました。


日本実験映像史のマイルストーン『銀輪』のデジタル復元及び、三色分解保存

『銀輪』(1955年)は、日本の実験映像のパイオニアである松本俊夫監督の初期の代表作として知られています。
デジタル復元及び、長期保存を目的とした“三色分解フィルム”の作成をIMAGICAが担当しました。

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ここがポイント!

作品の監督自らが監修に参加の上、デジタル修復を実施し、褪色した色の再現については微妙な色彩をデジタルデータ、フィルム、DVDなど様々なメディアで正確に再現するため、IMAGICAでは独自に開発したカラーマネジメントシステムを構築し、修復したデータから三色分解フィルムを作成。また本作品は、音に関してもデジタル技術による修復を実施いたしました。

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東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵


最古級アニメーションフィルム『なまくら刀』『浦島太郎』のデジタル復元

  染色処理の一例 ©IMAGICA WEST

染色処理の一例 ©IMAGICA WEST

日本において、コマ撮り式アニメーションが初めて公開されたのが1917年であり、この『なまくら刀』も同年に公開、『浦島太郎』はその翌年公開作品となります。

現存が確認されている中では、最古のアニメーションフィルムであり、発見者でもある松本夏樹氏の協力の元、デジタル復元及び、染色処理をIMAGICAが担当しました。

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ここがポイント!

本作品はフィルムを染料で染めた“染色フィルム”であるため、そのフィルムからウェットプロセスを使用し、中間フィルムを作成しデジタルデータに変換し、デジタル修復を行います。修復したデータをフィルムに変換した後、IMAGICAで独自開発した染色機を使用し、染色処理を行いました。IMAGICAでは、伝統的な手法を用いたアナログ的な処理と、先端のデジタルテクノロジーとのコラボレーションにより、対象となる作品の復元に最適なワークフローを、その都度構築しています。


平成20年度の国立国会図書館における旧式録音・映像資料のデジタル化に関する調査を行いました。

今回、調査対象となったのは、

  • 録音・映像資料
  • カセットテープ
  • オープンリールテープ(6mm 磁気テープ)
  • VHSビデオ
  • ベータビデオ
  • U規格ビデオ
  • レーザーディスク
  • VHD
  • 16mmフィルム
  • 8mmフィルム

これらの資料について、数点ずつのサンプルを取り上げ、サンプリング周波数、フォーマット等の条件を変えながらデジタル化を試行し、定量的・定性的な結果及び考察をレポート致しました。
本調査の結果は、国立国会図書館様のホームページにて公開されました。

ここがポイント!

IMAGICAでは、上記の録音資料・映像資料の他にも、様々なフォーマットからのメディア変換に対応しております。録音・映像資料のデジタル化、複製、マイグレーション等のご要望がございましたら、お知らせ下さい。また、どのフォーマットで保存するべきかお悩みの方や、お手元の資料のフォーマットが不明な場合等も、お気軽にお問合せ下さい。


小型フィルムの35㎜化(立命館大学アートリサーチセンター所蔵)

立命館大学アートリサーチセンター様の所蔵素材であるエトナ映画社関連8mmフィルムや、地域性の色濃く表れた9.5mmのホームムービーから、35mmの複製フィルムを作成。

ここがポイント!

フィルムの状態検査により作業の可否判断を入念に行い、必要な箇所には補修を施し、フォーカスや画格を厳密にコントロールした機材を用い、中間フィルムおよび上映用フィルムを仕上げます。9.5mmフィルムの中央にあるパーフォレーションの取り扱いについて検討・相談を重ね、画像の情報を可能な限り残すために、複製フィルムにもパーフォレーションが映り込むようにブローアップ作業を行いました。

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「玩具映画および映画復元・調査・研究プロジェクト」(通称:玩具映画プロジェクト/大阪芸術大学)

2003年より玩具映画プロジェクトの依頼を受け、玩具フィルムの不燃化作業(複製ネガと上映ポジの作成)、およびテレシネ作業に取り組み、これまでに約900本(確認中)の玩具フィルムが熟練技術者の手により複製されました。

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ここがポイント!

戦前の素材であることがほとんどの玩具フィルムは、少なからず深刻な経年劣化を被っています。そうした物理的な劣化を補修することが、玩具フィルムの不燃化作業では重要なカギを握ります。事前処理として入念に補修を行い、加えて、中間フィルムを作成する時点で、元素材にある軽微な傷をウェットプロセスによって一時的に埋めることで、仕上がりの美しいフィルムができあがります。


これまで作業させて頂いたデジタル復元作品の作品名一覧

  • 『和製喧嘩友達』(小津安二郎 1929年) 2003年作業
  • 『斬人斬馬劔』(伊藤大輔 1933年) 2003年作業
  • 『瀧の白糸』(溝口健二 1933年) 2004年作業
  • 『なまくら刀』(寺内純一 1917年) 2008年作業
  • 『浦島太郎』(北山清太郎 1918年) 2008年作業
  • 『紅葉狩』(柴田常吉 1899年) 2010年作業
  • 『銀輪』(松本俊夫 1955年) 2010年作業
  • 『幕末太陽傳』(川島雄三 1957年)2011年作業
  • 『カルメン故郷に帰る』(木下恵介 1951年)2012年作業
  • 『青春残酷物語』(大島渚 1960年)2014年作業
  • 『おとうと』(市川崑 1960年)2015年作業
  • 『麦秋』(小津安二郎 1951年)2015年作業
  • 『桃太郎 海の神兵』(瀬尾光世 1945年)2016年作業

海外コンテンツの修復事例

IMAGICAでは、日本国内の映像のみならず、海外の重要な映像素材のアーカイブ&レストレーション事業も積極的にお受けしています。
2014年にはマレーシアにImagica South East Asiaも設立され、東南アジアにおける映像素材のメディア変換、修復、保管にも力を入れています。


オプチカルワークを駆使した韓国映画「King Gojong and Martyr An Jung-Geun」の復元

provided by Korean Film Archive

provided by Korean Film Archive

Jeon chang-keun監督の1959年作品King Gojong and Martyr An Jung-Geun(109分)は、当時の韓国で最大の予算で制作された大作映画で、韓国国内で多くの賞を獲得し、この年の韓国映画の中で第5位の興行成績を記録した作品です。
写真光学的な処理を用いたアナログ復元をIMAGICAが担当しました。

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ここがポイント!

復元する元となった素材は、35mmと16mmの2種類があり、それぞれから状態の良い部分を選択し、1本の復元フィルムを作成しました。またこの作品には、現在では用いられなくなった特殊な方法で合成した箇所や、フィルムの劣化が激しいため復元に使用できない箇所が存在していたため、オプチカルワーク(写真光学的な合成技術)による復元を行いました。


『Sorrowful youth』の復元

provided by Korean Film Archive

provided by Korean Film Archive

Gang Dae-jin監督の1967年作品Sorrowful youth(99分)は、1953年に出版されたKim Raeseongの同名小説をもとに制作された作品で、公開年で最大の興行成績を収め、60年代で第9位となるものでした。
troikaという60年代後半の3つ星スター女優の一人で、韓国の偉大な女優であるYunJeong-heeのデビュー作品で、韓国でもっとも名誉あるDae-jong-sang賞で新人賞を獲得した作品でもあります。
この作品の復元にあたり、写真光学的な処理を用いたアナログ復元をIMAGICAが担当しました。

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ここがポイント!

復元作業の元素材となった16mmフィルムは、富士フィルム製とKodak製のフィルムが混在して使用されており、2者の間で劣化の状況が大きく異なっていたため、まず元素材をフィルム別に2分割し、それぞれのフィルムで作業を進行しました。元素材の16mmフィルムから35mmの中間フィルムを作成する過程において劣化が激しかったため大きな画揺れが起きてしまい、プリンター(複製を行うための機械)の改造による対応を実施し、さらに、この元素材の16mmは35mmからの縮小フィルムだったため、当時の縮小処理が適切ではなかったようで、正しい画郭になるように写真光学的な合成技術による修正を実施しました。


その他の海外受注作品

『ナイルの娘(原題:尼羅河女兒、英語題:Daughter of the Nile)』の復元

修復前 修復後
©Taiwan Film Institute

©Taiwan Film Institute

『黒衣の刺客』『珈琲時光』で知られる侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督の1987年公開作品。第5回トリノ国際映画祭審査員特別賞、第24回金馬奨最優秀音楽賞をそれぞれ受賞した作品です。この作品の復元にあたり、「4Kでのオリジナルネガからのスキャン、映像・音声のデジタルレストア、DCP作成」をIMAGICAが担当しました。

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ここがポイント!

海外作品初の4K復元作品である本作は、素材は比較的新しいフィルムだったものの、フリッカーや多数の染みが発生していたため、手作業での処理が長時間必要になりました。音声修復においてはノイズの低減だけでなく、リップシンクの再調整も行なっています。現地との距離が課題であったカラーグレーディングは、リファレンスとなる上映プリントと担当カメラマンからの申し送りを頂き、再現を行いました。なお、本復元版は2016年のベルリン国際映画祭(Berlinale Classics)にて上映されました。


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