銀座七丁目スタジオ『BOX』

CGやVFXとコンポジットを同じ空間で行う『BOX』

後列左から
ミキサー/井上武俊、CGデザイナー/竹内一政、コンポジター/湯山圭

前列左から
コンポジター/大西博之、リーダー/岡琢磨、コンポジター/渡邊摩耶

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2015年2月9日、CM制作を中心としたIMAGICA銀座七丁目スタジオに、新たに『BOX』が開設された。


CGやVFXとコンポジットの作業連携を最大限に高め、同じ空間で行うのが『BOX』。この『BOX』の開設により、作業スピードのアップやチームワークの向上はもちろん、これまで以上に、作品のクオリティ、クリエイティビティがさらに高まっていくことになる。


一昨年より実施されている、技術スタッフの海外研修を経験したコンポジターやCGデザイナーも参加していて、『BOX』自体、彼らの意見とアイデアから立ち上がったもの。マレーシアに初の海外拠点『Imagica South East Asia sdn.bhd.』を開設するなど、世界を見据えているIMAGICAにおいて、『BOX』の在り方もまた垣根を越えたものだ。


リーダーである銀座七丁目スタジオの岡琢磨は言う。

「『BOX』でやろうとしていることは、海外ではすでに主流になってきているやり方なんです。IMAGICAの目指すところとして〈グローバルスタンダード〉というものがありますが、ここからその動きを積極的に発信していって、社内やお客様にも理解していただき、浸透させていくというのが目指すところです。そもそも構想が動き出したのは昨年度の頭頃で、みんなが一緒に作業できる効率のいい空間を作ろうというところから始まりまして、意見を出し合いながら形にしていきました」(岡琢磨)



連携はよりスムーズに、仕事はよりスピーディーに

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今回の『BOX』で大きいのは、作業環境がひとつとなって、CGとコンポジットの連携がスムーズになる点。


CGディレクターの竹内一政、コンポジターの湯山圭もこう語る。

「CG側からすると、エディターやコンポジターとどう連携しながらクリエイティビティを高めていくかというのは、これまでも課題だったんですが、同じ場所で一緒に話し合いながら作れる環境があったほうがいい、という声がCG側からは大きかったんです。どこまでCGでやって、どこからコンポジットに渡すのかということに関しても、同じ場所で一緒にやるようになれば、途中過程でもその場でいろいろ相談し合いながら、お互い自分たちがやるべきところに集中して、そこを細かくきっちり仕上げていくことができる。そういう意味でも、非常にメリットは大きいですね」(竹内一政)

「コンポジット側としても、同じ空間で作業できれば、積極的にコミュニケーションを取って、これはこっちで、これはCGでお願いしますと、面と向かって話をすることもできる。どちらにとってもいいことだと思います」(湯山圭)


作業の工程や内容によって担当を明確に分けることで、それぞれがやるべきことははっきりしてくる。それによって同じコンポジット、同じCGの中での作業もよりスムーズになるのが『BOX』の利点だ。


コンポジターの大西博之は言う。

「これまではひとりのコンポジターがひとつの作品を仕上げるのが主流だったんですが、今後は『BOX』として関わることで、海外のように大人数が関わることができる。分業が可能になることで、それぞれのスペシャリストが多くの作品に関わっていくこともできるんですよね。人それぞれ、この部分は苦手だけれど、この部分は得意というところをうまく割り振っていくことで、クオリティもさらに上げていけると思います」(大西博之)


仕事のクオリティを高めながら膨らみ大きくなっていく『BOX』

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また、『BOX』にはMAのスタッフも参加。ミキサーの井上武俊は言う。

「バックグラウンドである『BOX』にCGの方もコンポジットの方もいるので、MAもバックグラウンドで作業していくことを増やしていこうと思っています。今まで、できた素材をいただいて、動きに合わせて音を付けていくという形だったんですが、今後は一緒に話し合って進めていくこともできる。お互いのロスもなくなって、理解もさらに深まるので、いいものを早く作れるようにもなると思います。新たな試みでいろんな可能性があるので、そこは楽しみですね」(井上武俊)


いいものを作り上げるという意味では、これまでとやることは変わらない。ただ、そのやり方は常に進化させ、いい環境を作り上げていくことも『BOX』の役目となる。


コンポジターの渡邊摩耶もこう語っている。

「自分たちで自主的に動くことが多くなるので、不安なところもありますが、仕事の幅、やり方が広がるのが楽しみですね。これからは振り返ればそこに、一緒に仕事を進める相手がいるという環境になるので、全然違ってくると思います」(渡邊摩耶)


例えばCM制作において、これまでのワークフローとは一線を画し、今後はチームとして作品に携わり、クオリティと進捗を管理して作業を進める『BOX』で作られたものをハコに縛られずお客様に確認してもらえるようになる。海外との連携も視野に、『BOX』はグローバルスタンタードなものとなり、規模は大きく、しかし作業は細かく、密にもなる。


ただ、それだけにこんなことも...。「麻布十番スタジオのスタッフとあわせて、総勢60数名なんですが、全員集まってみると”こんなにいるんだ!?”というのがみんなの率直な感想で(笑)」とリーダーの岡琢磨は笑う。スタートに当たって、あらためて親睦と歓談の場も持ちたいところながら、60数名が一挙に介するとなると、会場選びも大変!?ただ、「これだけ居たら、きっと想像以上にいろんなことができるというのも感じました」(岡)とも。動き出したばかりの新たな『BOX』。その規模も仕事も人のつながりも、さらに広がって膨らみ大きくなっていくに違いない。

Text:渡辺 水央 / Photo:杉崎 勝己

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