カラーサイエンス

色表現の色域外判定処理のため開発された3Dルックアップテーブル

左から

カラーマネジメントスーパーバイザー/由良俊樹、カラーマネジメントアドバイザー/長谷川智弘、シニアテクニカルディレクター/清野晶宏

color

“Rec.709色域外警告3D-LUT”。3Dルックアップテーブルと呼ばれるこの色変換のテーブルは、現行のハイビジョン放送の色域・ITU規格Rec.709のディスプレイ上では意図通りに表示できない、次世代UHD放送の色域・ITU規格Rec.2020で制作した色表現を警告する色域外判定処理実現のため、開発されたもの。


EIZO株式会社が新開発した4K液晶モニターに採用されているが、この3Dルックアップテーブル開発に携わったのが、IMAGICAのシニアテクニカルディレクター・清野晶宏、カラーマネジメントスーパーバイザー・由良俊樹、カラーマネジメントアドバイザー・長谷川智弘の3人だ。

「EIZOさんとは2006年くらいから技術的なフィードバックがあって、その中で今回のお話をいただきました。当初、EIZOさん自体でそうした機能の開発を検討されていたようですが、我々に託したほうがいいという判断を頂戴して、では、作ってみましょうと。私がインターフェイス役を担当して、ふたりに声を掛けたという形ですね」(シニアテクニカルディレクター・清野晶宏)

_MG_3423

「もともと僕と清野さんは同じ部署にいたことがあって、そのあと今度は僕と長谷川君が同じ部署になったんです。お互いカラーマネージメントという土台がある中で清野さんに声を掛けていただいて、チームで関わることになりました」(カラーマネジメントスーパーバイザー・由良俊樹)


「どうやったら、一番わかりやすい形で提示できるものが作れるか。いろいろなパターンを作成して、いろいろな方とコミュニケーションを取って進めていったんですが、由良さんとは席も近いので普段からいろいろ話してましたし、清野さんも何かあると来ていただいたり、私のほうからも清野さんの席に訪ねて行ったりもして。”ちょっと5分程いいですか?”って言いながら、長時間話し込んでしまうこともしばしばで、申し訳ないなと(笑)。常日頃からおふたりとはコミュニケーションが取れていたので、そこは非常にスムーズでした」(カラーマネジメントアドバイザー・長谷川智弘)


普段から意見やアイデアを出し合っているチーム

_MG_3379

そもそも3人は今回のために集まったわけではなく、普段からさまざまなアイデアや意見を寄せ合うチームでもある。

由良と長谷川の仕事ぶりに関して清野は、「バランスがいい」と太鼓判を押す。一方、清野に関して由良と長谷川は、「見習うべきところが多いです」。そんなふたりに対して清野は、「そんなこと言われても、何も出ないですけどね(笑)」。それぞれに尊敬と信頼を持ちつつ、波長が合っているのが見てとれる。


「技術的の知識についてはもちろん、多くのお客様とのコネクションを社内の適切な人材にリンクさせてしまうのが、清野さんのすごいところだと思います。清野さんを見習って、私もどんどん内向けに外向けに情報発信し、結果それが人と人とのリンクのきっかけとなるなら嬉しい限りです」(長谷川)

社内だけではなく社外――外も向いていくというのは、まさに清野の目指すところ。


「IMAGICAには技術力があって、例えば色に関して、色だけに特化した専門チームもある。その力を外部にも向けて広げていくことで、映像業界の制作環境がよりよいものになればと思っています。今までは社内向けにやってきたのですが、いかに外向けに普及させて、よりよい制作環境を整えていけるか。そこは今後自分として目指す目標でもありますね」(清野)


また、由良も今後の仕事、映像業界を見据えてこう語る。
「新しい技術にはこれからも積極的に取り組んでいきたいです。Rec.2020自体も新しい分野ですが、今、HDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)という分野も力を入れていて、清野さんや長谷川君ともいろいろ意見を出し合ってます。これまでは映画に特化してきていたんですが、時代が変わっていくにつれて、映像のジャンルがいろいろ広がっているというのは楽しいところ。特に色はどんなジャンルにも該当するものなので、IMAGICAで仕事する中でいろんな映像のジャンルの色に携われることに、やり甲斐も感じています」

3人の視点、そして開発力。これからもそのチームワークとアイデアの中から映像業界を変える新しいものが生まれてくるはすだ。

Text:渡辺 水央 / Photo:杉崎 勝己

ページのトップへ戻る