小林 由愛子

“自然で普通に楽しい”ということの大切さ

小林 由愛子/ミキサー

人柄と仕事柄は、どこか重なってくるもの。その人自身のキャラクターやテンションが、手掛ける仕事においても発揮されてくる。

「ミキシングの上手さって、違和感がないことだと思うんです。ここでガーッと音を上げたらカッコイイという場面もあるんですが、見ている方が”今、音が上がったな”って気になってしまったら、駄目なんですよね。あと家で家族とテレビを見ていて、”見ている人はここで笑うから、ここの音は気にしても聞こえないんだ”って発見もあったりして。音を自然に聞けて、普通に楽しく番組を見られるっていうのが大事なのかなと思います。そのために必要なものは、経験とセンスですかね? 私もまだまだ勉強中です(笑)」

そう語るのは、IMAGICA品川プロダクションセンターのメインミキサー小林由愛子。2010年10月に入社、3年半のアシスタント期間を経て、2014年4月よりメインミキサーを務めている。アシスタント時代から社外・社内の信頼も厚く、ミキサー昇格後すぐに『キスマイBUSAIKU!?』『深夜喫茶スジガネーゼ』レギュラー番組を2本担当。評判もよく、新規のお客様から指名をもらうほど。
仕事のクオリティーの高さはもちろん、実際、話して接してみれば、その評価も納得だろう。自然で、普通に楽しい。それが小林の人柄で、コミュニケーションを含めた仕事柄だ。


自分がいいと思うものを提案しながら意見も大事に

_MG_9578#

「父がムービーのカメラマンをやっていて、撮影現場に遊びに行ったりしていたのが、業界に興味を持ったきっかけですね。音の仕事を選んだのは、撮影をやったら絶対に父がうるさいなと思って(笑)。音楽や音が好きだったので、音関係に決めました。それに関しては、父は何も言わなかったです。」

気負って畏まりすぎていないのはもちろん、気張って砕けすぎてもいない。自然な話ぶりなのに、朗らかで楽しいというのが小林の印象だ。小林自身、コミュニケーションで大事にしていると語るのは、「普通」であること。加えて、資質という意味での人柄もかなりこの仕事向きかもしれない?

「父も母もサラリーマンではなかったので、毎日朝早く起きて出掛ける生活が想像できなかったんですよ。この仕事は昼出勤で夜遅いこともありますが、苦にならないどころか、向いてると思います(笑)。逆に自分にはすごく合ってるので、ありがたいですね」



フレキシブルだけれど、きちんと自分を持っている人。いや、フレキシブルな自分を確固たる自分としてきちんと持っている人。そんな印象が小林にはある。ミキシングに関しても、それは同じだ。

「仕事の進め方としては、私としてはこれがいいと思いますというものを一度見ていただいて、そこから直していくという形ですね。それで一発OKをいただけたら嬉しいですが、いろいろ意見を言っていただけるというのも嬉しいですね。そういうやり方もあるんだって、自分の勉強にもなる。それもすごく大事だなって思います」


女性が増えてきているミキサーの環境

_MG_9599#

そんな小林の日々の楽しみになっているのは、趣味で描いている絵やバドミントン、旅行。
あとは、なによりテレビ。

「家にいるときはテレビばっかり見てます。テレビっ子なので、もう普通に楽しんで見てますね。まったく仕事目線にならないんですよ。こういう仕事してるんだから、音を気にして見るべきかもしれないですが(笑)、私は純粋にこの番組面白いなって見てます」

そこも小林ならではで、自然体だ。今後は、「ドキュメント番組も手掛けてみたい」と小林。また第一線のメインミキサーとして、後進を育てていく立場にもなる。

「まだまだ私が発展途上なので、育てていく立場になるには私自身がもっと成長しないといけないですね(笑)。これまで、ミキサーは圧倒的に男性が多くて、品川プロダクションセンターの女性ミキサーは私を入れて4人だけなんですが、今、アシスタントは女の子のほうが多いくらいなんですよ。私のあとの代くらいから女の子が増えてきているので、頑張って欲しいなっていうのはあります。最近は男の子より、女の子のほうが根性があるのかな?(笑) あと今は女性が多いから、女性にとっては職場環境がいいのかもしれないですね」

今後、女性ミキサーもさらに増えていきそうな中で、小林のその人柄と仕事柄は、ひとつの手本ともなるかもしれない。

Text:渡辺 水央 / Photo:杉崎 勝己

ページのトップへ戻る